借金の一部だけおまとめするなら審査に通りやすいのか?

借金を抱えている人にとって、借金の一本化であるおまとめは効率的に返済を行うことができる手段とされています。

おまとめは借金返済において有効ではあるものの、一方で大きな金額のローンになるため、審査は通りにくい面も持ち合わせているのです。

そんなときに「全部おまとめするのは審査に通りにくいので、一部だけおまとめをした方が審査に通りやすい」とよく言われていますが、この話の真偽や有効性はどうなっているのでしょうか。

一部だけおまとめを行った際の審査傾向やおまとめを利用する意味について解説します。

希望限度額が少ないほうが審査に通りやすい

金融機関としては一人に大きな金額を貸し付けると、自己破産などの法定整理を債権者が選択したときの損失額が増えてしまいます。

金融機関はそれらのリスクを避けるため、貸し倒れの危険性が大きそうな客に大きな金額は極力避ける審査体制をとっているのです。

そのため、『おまとめの希望限度額の大小は審査に影響してくる』と言っていいでしょう。

希望限度額が小さい方が、大きい場合に比べて審査が通りやすくなります。

300万円借金がある人が、おまとめで300万円全てを借りようとしても審査に落とされますが、限度額が200万円の審査には通るかもしれないのです。

一部だけおまとめローンを組むのはメリットが減る

メリット

おまとめローンを組むメリットとはなんでしょうか。

借金が複数社ある人がおまとめをすることにより、

(1)金利を削減
(2)借入先が1社になり、返済が楽になる
(3)毎月の返済額を減らし余裕のある返済が出来る

と言うメリットをもたらします。

しかしながら、一部だけおまとめローンを組むと、全ての金利が削減される訳ではありませんし、返済先も最低2社以上残ってしまいます。
毎月の返済額も大きく減る事は無いでしょう。

このようにおまとめを一部しかできなかった場合は、メリットが全くないわけでは無いものの、その効果は薄くなってしまうのです。
極力全額のおまとめを目指しましょう

おまとめローンの審査の際には現在の借り入れ全てを開示する必要がある

おまとめローン審査を受ける際には、その時に借りている全ての借入先を開示しなければいけません。

消費者金融からの借り入れだけでなく、銀行からの借り入れ、金融機関によっては住宅ローンなどの個別のローン開示も求められるでしょう。

全部開示してしまうと審査に通らないので、『ちょっと減らして開示しよう』と思ってはいけません。

金融機関は信用情報機関にローン情報を照会して、開示情報と合っているかチェックしますので、嘘をついていたらすぐにバレます。

開示する情報は正確、かつ漏れがないようにしましょう。

申し込み希望額に届かない場合もあるので金利の高いところ、完済の近いところから完済しよう

おまとめローンに大きな金額で申し込むと、『審査には通ったが希望申込金額には届かない』という事があります。

300万円の審査を受けたのに、100万円しか審査に通らず、限度額が強制的に少なくなってしまうのです。

そんな申し込み希望額に届かなかった場合は以下の優先順位を参考に、効率的に借り入れ先の整理を行っていってください。

<一部しか審査に通らなかったときの借入先整理の優先順位>
(1)金利の高いところをまず返済
(2)借入残高の少ない、完済の近いところを返済

例えば、
◆銀行カードローンA社から金利12% で150万円
◆消費者金融B社から金利18%で50万円、C社から金利18%で30万円、D社から金利18%で20万円

の合計250万円借りている人がいるとします。

この人『希望限度額に届かない100万円の審査に通った』とき、最初に完済すべきなのは消費者金融B社50万円、C社30万円、D社20万円です。

金利が高い消費者金融からの借り入れを完済すると、支払う利息が減り、同じ金額を返済しても元本返済の割合が高くなり、完済への道のりが早くなります。

おまとめが一部しか通らなかったときは、最初に金利が高いところから返済することは非常に効率的です。

同じ人が『希望限度額50万円の審査にしか通らなかった』ときは、返済するのはC社30万円とD社20万円になります。

完済の近いところを返済すると、借入先が減り楽になる、返済金額が少なくなる、借入先が整理され、更に別のおまとめ審査に通過する可能性が高まるといった利点が出てくる為です。

一部しか審査に通らなかったときは、まずは金利の高いところを返済、次に残高の少ない順に返済していってください。

どうせ申し込むなら全部おまとめした方がオトク

審査に通らないので、通りやすい限度額で申し込むという方法もありますが、どうせ申し込むなら全部まとめておまとめした方がオトクです。

一部ではなく全部をおまとめすることが出来れば、金利削減効果をもたらすことはもちろん、返済日を忘れる危険性も少なくなり、更に毎月の返済額が減らせる等、様々なメリットが発生するでしょう。

おまとめに申し込んだけど信用力不足で満額の審査に通らないと判断された場合は、金融機関側が一部の与信を与えてくれます。

希望額全額で審査に通るか否かはあまり気にしないで、取り敢えず全額まとめるつもりで申し込むようにしてください。